「重力奏法」(ロシア奏法)によるレッスンの威力とその実証 その1~5週間で全10指で美しい音色が出せた壮年Tさんの挑戦~

ピアノレッスンクリニック芦屋

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「重力奏法」(ロシア奏法)によるレッスンの威力とその実証 その1~5週間で全10指で美しい音色が出せた壮年Tさんの挑戦~

重力奏法(ロシア奏法)によるレッスン法・Tさんシリーズ,DVD紹介

2018/11/12 「重力奏法」(ロシア奏法)によるレッスンの威力とその実証 その1~5週間で全10指で美しい音色が出せた壮年Tさんの挑戦~

9月から、初めてピアノを習われるという50代の男性Tさんが来られています。楽譜も読めない方です。

 

よりバランスのとれた身心を獲得される目的のため、アレキサンダー・テクニックの他にも、トマティス・メソッドに取り組まれている由。

 

そこへは音楽家も通われていて、美しい響きを聴く目的でピアノを習いたいとご相談されたら、「ロシア奏法」がいいと教えられ、HPでこの「ピアノレッスンクリニック芦屋」を見つけて来られました。

 

練習用ピアノはまだお持ちではなく、電子ピアノよりも、間違いなく美しい音色が出るアコーステイックピアノを物色中だそうです。

 

それほど「美しい響きの音を聴くために自分で弾くのが一番の目的」と話される大変珍しい学習者です。

そういう方はこちらも大歓迎。教え甲斐がありますから。

 

語り掛けるような演奏法と共に、私が一番教えたい「美しい音色」を出すことと、それによって弾きやすく音楽表現が意のままにできる手を作るお手伝いをさせてもらえるからです。

 


初回のレッスンは、ロシア奏法と共通した内容の、

私が制作したDVD「田島孝一の『指歩きピアノ奏法』のすすめ~ピアニストの手を作るレシピ~」の内容に沿って、

 

①肩からの脱力練習②脱力した腕の重さの確認③第3指で支える準備をして腕の重さを机の上に自然落下させる

・・・など、大学で教えていたとおり、一連の基礎を練習しました。

 

Tさんはすでに脱力はマスターされていて、自然落下はかなり良好。

右3指で1音だけ美しい音色の音を出すことにも即成功。

(ここまでの結果は、私のDVDに収録されているとおり、全くピアノ未経験のナビゲーターの方も即座に成功できています。)

 

 

2週目は右手で1本ずつ指を替えながら、より確実に美しい音が出るよう、自然落下の繰り返し。

出てくる音色の良し悪しを、とても的確に判別されるので、徹底して良い音色を出せるよう真剣に取り組まれました。

 

3週目から左手も始め、5週目には何と、1と5指も含めて、

両手のどの指で鳴らしても、すべて美しく響く、全く同質の音色で同音量の音が出せるようになられたのです。

最後には両手反進行の形で、同じ指で同時に弾かれても、その美しい響きは保たれていました。

 

 

しかも第1週目の単に1本ずつ上から落下させる方法ではなく、

隣接する鍵盤へ「指歩き」しながら移動していく完全なレガート奏法で、

全10指が美しい音色を奏でることに成功したのです。

 

このレガート奏法は、ペダリングとPPに並ぶ、ロシア奏法3本柱の1つだとされています。

 

本当にパーフェクト!! 見事に「ピアノを弾く身体」の土台を、まさに「手に」入れられたのです。

 


こんな短期間で成功したことは、約40年の大学在任中にはありませんでしたので、私も大喜び。

 

きっとこれまでのように、何か曲を進めながらのレッスンではなく、

5指のトレーニングだけに絞り、たったそれだけの練習のために、毎週1時間ずつレッスンを受け、

ご自宅でもDVDを見ながら復習。

 

(ピアノがまだないため)毎日机の上で熱心にタッチの練習してこられた成果なのでしょう。

さらに、他の指と全く異った動きをする、親指の使い方も見事にマスターされたのです。

 

(ロシア奏法と「ツィグラー・ピアノ教本」では、3指から学習が始まりますが、

他の多くの教本では、1指でドの音から始まります。

 

あとの4本の指とは違って、ピアノでは日常の使い方とはまったく違った使い方をする親指です。

一番扱いの困難なこの1指から始まっているのは、何とも奇妙なことではないでしょうか。)

 

何よりも素晴らしい成果は、手が気持ちいい」と、ご自分から語られたことです。

この感覚に気づかれた事が、パーフェクトにマスターされた見事な証しなのです。

 

なぜなら、手の感触が常に感じられていれば、その微妙な変化が、音色や演奏表情のコントロールに結びつくからです。

 

自分が思い描く音楽のイメージをそのまま、ダイレクトに手に伝えられる手。

自由自在に演奏表現できる手。

その道具としての「本物のピアニストの手」の土台を、

この驚くべき短期間の内に、まずは獲得されたのです。

 

全くピアノを習ったことのない、初めてピアノに触れた方が、

わずか5週間で、この素晴らしい手を手に入れることができたのは奇跡的なことです。

 

「それは100年前の手の使い方です」と留学先の世界的に高名な教授に言われて、

著名なピアニスト中村宏子さんを苦しめ、

さらにいまだに日本中にまん延しているハイフィンガー奏法

(この説明は、別掲のピアノブログ「『卵をつかんだ手の形』の弊害①~④」をご覧ください)。

 

その古い奏法、鍵盤を指で「打つ」奏法で学ばれた、

国内の大半のピアノの先生方や、多くのプロピアニストの方でさえも、

 

これだけ完璧に美しい音色を奏でられる10指を備えた人は、おそらくそう多くはおられないでしょう。

 

(なぜなら、自然落下ではなく、指から動いてほぼ垂直に打鍵するハイフィンガー奏法では、

この美しく柔らかい響きは出せないからです。

鉛筆を手の甲に垂直に立てた時と、斜めに置いた時とでは、感じる痛さに違いがあるのがおわかりになるでしょう。)

 

これが「ロシア奏法のレッスンによる素晴らしい威力!! 」なのです。 

 


 このように書けば、「始めたばかりのド素人が、ベテランのピアノ教師やプロピアニストを、わずか5週間で簡単に超えられるはずがない」、と大半の方々は信じられないと思います。

それも当然、無理のない事です。

 

しかしこれは、一切曲の練習はしないで、ゆっくり1音ずつ慎重に、

ただ美しい音色の音を引き出すためだけに限って行った結果なのです。

 

また私はこれまで数百名にレッスンをしてきた中で

経験者よりも入門者のほうが、学習達成速度は明らかに早かったので、

初学者という好条件もありました。

 

まず指から動かして弾くハイフィンガー奏法で学んできたピアノ経験者は、

指から動かそうとするクセがついているため、

指や腕の重さを鍵盤上に完全に自然落下させることが困難になります。

そのためそのクセを取らない限り、なかなか習得できないのです。

 

 

初学者の習得効率がいい例は、’88の拙著論文に、

初学者の学生3人全員が10か月後の定期試験に、

 

それぞれがショパン、ベートーヴェン、モーツアルトなど中級曲を弾いた指導記録があり、

初学者の学習達成度の速さが確認できます。

 

また私のDVD「田島孝一の『指歩きピアノ奏法』のすすめ~ピアニストの手を作るレシピ~」には、

ピアノ専攻学生よりも、全く未経験者のナビゲーターのほうが、

美しい1音を最初の1発で出せたので、私自身が驚愕した顔が写っています。

 

大学の授業でも、重さの自然落下は、音楽学部以外の一般学生のほうがより多く達成できていました。

 

さらにまたTさんのように、弾くことよりも、美しい音色を出すことが目的の入門者だったのと、

 

その事に専念されたからこそ、不可能と思えることが実現できたのでしょう。

 

Tさんが真剣に取り組まれたこともありますが、

まったくの白紙状態だった事が、成功の一番の原因だったと思われます。

 

 

今はまだゆっくりと、慎重に階段をのぼる時のように、

「指歩き」によるレガート奏法で一音ずつ次の指へ移っていかないと、この美しい音色を続けることができないTさん。

 

この先、徐々にそれを速くできるようになれば、

(速く美しく弾くための「ヒミツのレッスン法」が待っています)、

 

最初に弾かれる曲、ブルグミュラー25番「素直な心」または「平均律第1番前奏曲」

の美しい響きが、Tさんの身体に共鳴して、きっといい影響を与えるに違いありません。

 

(2018.11.12 ピアノレッスンクリニック芦屋 田島孝一)

 

 

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