その5 初学者Tさん曲への挑戦③「音楽の読み取り方」と「緊張と弛緩」もわかったぞ!

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その5 初学者Tさん曲への挑戦③「音楽の読み取り方」と「緊張と弛緩」もわかったぞ!

重力奏法(ロシア奏法)によるレッスン法

2019/02/21 その5 初学者Tさん曲への挑戦③「音楽の読み取り方」と「緊張と弛緩」もわかったぞ!

「素直な心」と平均律1番前奏曲の学習を通じて

ピアノレッスンクリニック芦屋

 

あなたは「い・そ・い・で・は・し・れ」と一字ずつ読みますか?それとも「急いで走れ」と読みますか? 初学者壮年Tさんの今週は、2つの大成長をされたレッスンでした。

 

9月からピアノを始めて5ケ月あまりのTさん。美しい音色の1音を出すことからピアノを始められて、今回は22回目のレッスンです。

 

 

初学者の壮年Tさんには、今週驚くべき成長がありました。

 

先週にもブルグミュラーの「素直な心」を、とても良く弾いておられたので、「指歩きピアノ奏法」の一つ、「棒起こし」という上級のテクニックをお教えしたところ、とてもよく理解されました。実際にその手の使い方で弾かれて、見事に吸収されました。(これの詳細は、次回に回します。)

 

 

引き続き今週も、2つのとても重要な音楽の感覚を目覚めさせられたのです。

 

  • 1.音符の羅列を意味のある生きた音楽へと変化させる~「素直な心」の学習を通じて~

 

一つ目は、冒頭右手ソミレドの4音のかたまりを、言葉の「単語」のようにとらえる方法です。

 

これをお伝えしたところ、すぐに理解され、そう演奏されたのです。

 

今日始めのTさんの弾き方は、ソ・ミ・レ・ドのように、指歩きピアノ奏法の基本で練習したように、美しい音色で1音ずつ慎重に、

しかもGのがんばって速めに弾かれたため、なめらかなフレーズには響きませんでした。まずこれを直していきます。

 

 

冒頭の4音ソミレドの反復フレーズに、例えば「ふるゆき・降る雪」と、歌詞を付けてみましょう。

 

たとえ速度がゆっくりでも、それを4音ひとかたまりの「ふるゆき・降る雪」と感じていれば、1文字ずつ「ふ・る・ゆ・き・ふ・る・ゆ・き」と区切りながら個別に1字ずつ読むよりも、ゆったりした気分で、余裕をもって弾けるので、もし速く弾いたとしても難なく楽に弾けるのです。

 

これをTさんは今日めでたく実感されたのです。

 

これまで教えてきたほとんどの初心者には、残念ながらすぐに実感を伴って理解された事がなかったので、Tさんにとっても、私にとっても、これはとても大きな収穫になり、二人の間に幸せな時間が流れました。

 

 

もしこれを「ふ・る・ゆ・き」と、1音ずつはっきりと声に出して速く読めば、今回の冒頭文の「い・そ・い・で・は・し・れ」と同様、とても忙しく感じます。

 

でも、「ふるゆき・降る雪」と、4シラブルのかたまりとして読めば、全くせかされることもなく、ゆったりと余裕で読む事ができるのです。

 

 

これはさらに、楽譜の先読みをしながら安心してピアノが弾けるかどうか

つまりピアノを楽々と弾けるようになれるかどうかに関わってくる、とても重要なポイントなのです。

 

 

例えば、足元ばかり見て歩くと、先が見えませんが、先を見通しながら歩くと、安心して水たまりをよけて歩ける(注意ポイントだけ気をつければいい)というように、大きな違いがあるのですから。

 

 

これは、文章を朗読する場合とも共通したことですが、文の少し先まで目を通しながら読めれば、そこに気持ちを込めて声優気分で読めるほど、余裕をもって演じながら読むことができます。楽譜を読みながら演奏することも、これとまったく同じことなのです。

 

1文字ずつ文字を追いながら読んでも、そこに気持ちを込める余裕は生まれません。

 

文字を読むのではなく、単語や文字のグループである、フレーズとして読む。

 

楽譜も1音ずつ音符を読むのではなく、メロディーのかたまりや、より長いフレーズを読む。

 

このことが、生きた音楽として演奏表現するためには、絶対不可欠な事なのです。

 

お話をする時は、ふつう話の全体を把握した上で、少し先まで話す内容を決めて、言葉を選びながら相手に伝えますね。

 

音楽の演奏もそれとまったく同じことなのです。

 

このように、神経の使い方や心の余裕の有無。

 

この2つには表現する時、大きな差が生まれる事に気づかれたかと思いますが、上手くなる人となれない人との差にも、この2つの大きな違いがあるのです。

 

そして、その違いが分かる人と分からない人。違いを聞き分けられる人とできない人。

 

 

なかなか上手にならない人は、目先の音符を間違えないように読み、鍵盤を間違えないで弾くことにばかり気をとられて、

結局この大事な基礎感覚を目覚めさせないまま弾いていることが多いのです。

(鍵盤を間違えないための方法は、また別の機会にご紹介します。)

 

 

 

  • 2.音の持つ緊張感とその弛緩~平均律1番ハ長調の前奏曲を通じて~

 

さてもう一つのTさんの大きな収穫です。

 

それは、「音楽は緊張とその弛緩を繰り返しながら前へ進んで行く」というとても大事な事を耳で聴き分けて理解された事です。

 

 

 

この緊張とその弛緩の関係がとても良くわかる例は、子どもの時からしている、お辞儀の時のピアノの音です。

 

もし2つ目の音で止まったままだったら、お辞儀をしていなくても、早く3つ目の音を鳴らしてほっとさせてほしいと思うはずです。

 

これが音による緊張とその弛緩です。

 

 

 

この曲の中の一例を挙げれば、はじめから第2・3小節目のメロディーの最高音はファ。

 

1小節目の高いミから半音上がって生まれたその緊張感が、4小節目で再びミに戻り、その緊張感から解放されるという事を実感されたのです。

 

これがたとえ半音でなくても、音は上に上がるに従って、基本的に緊張感が高まります。

 

私はこれを音の位置エネルギーと名付けていますが、元の高さに戻ると、緊張感が解けて(弛緩)ほっとさせられます。

 

これは多分人の目線の高さが変化すること、動くものを目で追っていく、動物的本能によって起こる緊張と弛緩に基づいていると思われます。

 

これが音の動きが生む緊張と弛緩なのです。

 

 

ただし、ある程度以上高く上がって行くと、鳥などが空の彼方に飛んで行ってしまった時のように、その緊張感はすぐに無くなってしまいます。

 

(逆に下へ下がっていく動きにも緊張と弛緩があり、これは水中に一旦沈んだ浮き輪などが浮上した時に、その緊張感は弛緩します。)

 

 

この最初の4小節で展開される音楽の緊張とその弛緩。

 

これは音楽が人を惹き込む一番の基本要素です。

 

これをTさんが実感されたと言う事は、音楽の流れ、音楽の「起承転結」と言ってもいいのですが、それを感知する感性をお持ちだという事が証明された事になります。

 

Tさんは、緊張感から解放されたここの音量は、「穏やかに弱音で収める」という、音楽的で自然な感性の流れを伴いながらピアノを弾かれ、

聴いている私も、実に気持ち良くなる演奏をされるようになりました。

 

 

今日はとても初学者とは思えない、音楽的な演奏へ近づく、驚きの急成長を見せられ、私も大きな喜びをいただきました。

 

このバッハの名曲の、そう遠くない仕上がりの日のTさんの演奏が、とても待ち遠しくなりました。

 

 

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