090-4274-6607
〒659-0091 兵庫県芦屋市東山町28-19
レッスン時間/9時~20時ごろ 定休日/不定休
その8-1> 初学者Tさん曲への挑戦⑥ 「素直な心」がすべて美しい音色で完璧に弾けた!
「素直な心」「平均律第1番前奏曲」を通じて⑥ ピアノを習いはじめてわずか半年で達成!
9月から始めて半年+3週目。今日のレッスンも、いつも通り基本の5指練習曲を第3指からミレミレ・・と始めたところ、
なんと!先週トライした、持ち上げる指の高さを半分に減らした、より高度なこの奏法が、
ちゃんと重さを使って「指歩き」ができ、美しい音色も出せているではありませんか!
実に素晴らしい!! しかも、左手まで完璧!!
そこで3週前にもお教えした、さらに高度な「棒起こし」奏法を復習。
それを「素直な心」の曲に適用してみれば、
なんと見事にこのスーパー・テクニックである、美しい音色で静かに弾ける「指歩きピアノ奏法®」の究極の奏法、
鍵盤に指先を密着しておいてから弾く「棒起こし」ができるではありませんか!!
しかも、音の上行下行の動きにつれて変わる手首の上げ下げまでも伴って、
実に美しい音色で、教えた通りちゃんと弾けていたのです!!
これは大変な努力をしてこられたと思いました。
この奏法は、これまでの「指先に手の重さを伝えそれを支えて起き上がる」事と、
「音の上下の動きに合わせた手首の上げ下げ」の2つの事に、細心の注意を払ってやらないとできないのですから。
これほどまでに、高等テクニックが身についておられたことに、大変驚きました。
もう完璧といっていいほどに、「重力奏法」の手の使い方が、理想的な仕上がりになっていました。
思わず感動!!
しかも、私が「歩き」に例えたイメージを、第5指に至るまで、一歩一歩鍵盤を「踏みしめ」て、
実に確かな指の動きで「歩き」を実感されていたようでした。
これがホンモノを手に入れられた証拠なのです。
DVD「田島孝一の『指歩きピアノ奏法』のすすめ」の副題「~ピアニストの手をつくるレシピ~」どおり、
ここにTさんはその「確かな手」の土台を作ることができられたのです。
この「レシピ」という呼び方は、最近読んだ
『パスカル・ドゥヴァイヨンのショパンエチュードの作り方・作品10』という本の前書きにも、
同じくこの「レシピ」という名前を使っているのを見つけました。
私のDVD(2007出版)では、単なる「手の作り方」だけなので、この本の「曲の弾き方=料理の作り方」とは違いますが、
両者は大変よく似た視点のように見えます。
コラム
双方に共通している大切な視点は「作り方」。
必ずそれができるための方法=レシピがある、ということなのです。
つまりそこには、「こうすれは必ずこうなる」という、
理にかなった合理性があるのです。
私は目の前の生徒の困難を即座に解決する方法を、常に探し続けてきましたから、
その方法=レシピをたくさん持っていますので、
必要に応じ、いつでもすぐにそれを取り出すことができます。
さらに、生徒に合わせた新たなレシピも、その場で作ることができるのです。
これは一つの料理の形を元にして、創作料理を生み出すのと同じことなのですから。
(コラム終わり)
前掲の本は、現在に至るピアニスト4大系譜のうち、ツェルニー・リスト系の「重力奏法」ではなく、
当然のことですが、ショパン系の「重力奏法」で解説しています。
特に「ショパンのテクニックについて知っておくべきこと」として、
手の扱い方についての重要なポイントが大変合理的に書かれています。
上級者だけでなく、中級でショパンエチュードをまだ弾けないレベルのピアノ学習者にとっても、
その考え方はとてもためになるので、必読のテキストとしてオススメです。
その中には、私の「棒起こし」奏法(当ブログ6行目参照)にも通じる記述も見受けられました。
「豊かで・・硬さのない伸びのある響きを得るために、鍵盤のそばから打鍵します」と。
つまり、ハイフィンガー奏法のように、高く持ち上げた指から打ち下ろす奏法では出来ないのです。
鍵盤そばからの打鍵も、私の「棒起こし」奏法で指が触れている状態からの打鍵も、
鍵盤に加わる力加減や指の感触、出てくる音色などは、ほとんど変わりがありません。
さあこれで、この曲はほぼ予定どおり、いいえ、予想以上の仕上がりで完成です。
あとはさらに数多く弾きこなして、身に染み込むまで、磨きをかけていただければいいのです。
<仕上がった時から本当の練習が始まる>
多くの先生方のレッスンでは、「よくできましたね。では次の曲を。」となって完成した曲をやめてしまいがちですが、
私のレッスンでは、この曲のように「重力奏法」の基本を学んだ重要な曲は、
ここから本当の練習がはじまるのです。
短い何曲かを何年も弾き続ける事には、大きな利点があります。
私は10年間それらを弾き続け、なかなか出せなかった恩師から求められた音。またギレリスの美しい音色を追い続けた結果、
やっと美しい音色画面出せる奏法を独力で手に入れました。
しかもそれは、はるかに楽に奏でられる「指歩きピアノ奏法®」≒「重力奏法」だったのです。
私が「指歩きピアノ奏法®」と命名した(1991)その奏法は、実は当時の私も、まだその名前の存在を知らずにいた、
「重力奏法」と共通するものだと後になって知ったのです。
もし学習者が、将来思い通りに弾けない曲が出てきた時に、原点となる曲を思い通り弾ければ、
今行き詰っている曲を弾きこなすための解決方法を、きっと見つけることができるでしょう。
私がここまでのレッスンで目的としたことは次の4つでした。
初学者Tさんにもできた、すべて美しい音色で奏でられるこの手の使い方。
しかしこれができるピアノの先生が、いったいどれほどおられることでしょう。
多い目に見ても、中堅以上のピアニストで10人に一人あるなしではないでしょうか。
重力奏法(ロシア奏法)で教えられる街中のピアノの先生となると、もっと見つけられないでしょう。
なぜなら、ハイフィンガー奏法で学ばれた方が多いため、
このように美しい音色で、しかも静かな手の動きで弾ける日本人ピアニストは、
テレビなどの映像を見ていても、まだまだ少ないと痛感させられるからなのです。
このハイフィンガー奏法は、著名なピアニスト故中村紘子氏が留学先で、
「あなたの弾き方は100年前の奏法です。一からやり直ししましょうね。」
と言われて大ショックを受けられたと、その著作に書かれているとおり、
現代では間違った奏法なのです。
最も多く使われてきた『バイエルピアノ教本』(国内版)に、「正しい手の形」の写真を載せたものがあります。
またもう一つの主流、戦後から使われてきた『メトードローズ』にも正しい姿勢の絵がありますが、
それら2つの教本の指先は、鍵盤に対して垂直に当たっています。これはハイフィンガー奏法の大きな特徴なのです。
特にメトードローズには、黒鍵までも指先が垂直に当てられていますが、
これでは黒鍵を滑らせてミスを誘発させてしまうので、ありえない指の使い方です。
信じられないことに、それらが「正しい形」として掲載されているのです。
重力奏法の視点から見れば、
これをお手本として学ばれた非常に多くの先生方は、間違った手の形で学ばれてきたのです。
それに対して、重力奏法で使われている手の形は、
セイモア・バーンスタイン著『ピアノ奏法20のポイント』に頻繁に載せられている写真に見るように、(常にではありませんが)
第3関節から指がまっすぐ鍵盤に伸びているのが基本の形なのです。
海外ピアニストのほとんどすべての人は、この指先が前に伸ばされた指で弾いています。
その結果、鍵盤に当たる指の部分は、指紋のある「指の腹」と呼ばれている柔らかいところです。
それだからこそ、柔らかく美しい音色を奏でやすいのです。
この手の形なら、ピラミッド型にとんがった、一番大きな第3関節で腕の重さをしっかりと受け止められ、
それを指先で鍵盤まで伝えることができるのです(重力奏法)。
この両者の差が一番よくわかるのは、外国のピアニストと日本人が連弾しているTV画像での比較です。両者の手の使い方の違いは一目瞭然。
水面をアヒルのように騒々しく動く日本人の手と、白鳥のように静かに動く外国人たちの手の動き。
私はこの両者の違いを学生だった約50年前から、興味深くずっとTV画面で注視し続けてきました。
そして『指歩きピアノ奏法』にたどり着くまで、その原因をずっと探し続けていたのです
その後「ハイフィンガー奏法」と、対照的な「重力奏法」の名前の存在を知った時、
すべての謎が解け、私の『指歩きピアノ奏法』の正しさも、同時に確認できたのです。
その8–2に続く
(2019.4.22 ピアノレッスンクリニック芦屋 田島孝一)
■■□―――――――――――――――――――□■■
ピアノレッスンクリニック芦屋
【住所】 〒659-0091 兵庫県芦屋市東山町28-19
【電話番号】 0797-55-7077
【営業時間】 9時~20時ごろ
【定休日】 不定休
21/12/03
21/06/28
21/06/13
TOP
「素直な心」「平均律第1番前奏曲」を通じて⑥ ピアノを習いはじめてわずか半年で達成!
9月から始めて半年+3週目。今日のレッスンも、いつも通り基本の5指練習曲を第3指からミレミレ・・と始めたところ、
なんと!先週トライした、持ち上げる指の高さを半分に減らした、より高度なこの奏法が、
ちゃんと重さを使って「指歩き」ができ、美しい音色も出せているではありませんか!
実に素晴らしい!! しかも、左手まで完璧!!
そこで3週前にもお教えした、さらに高度な「棒起こし」奏法を復習。
それを「素直な心」の曲に適用してみれば、
なんと見事にこのスーパー・テクニックである、美しい音色で静かに弾ける「指歩きピアノ奏法®」の究極の奏法、
鍵盤に指先を密着しておいてから弾く「棒起こし」ができるではありませんか!!
しかも、音の上行下行の動きにつれて変わる手首の上げ下げまでも伴って、
実に美しい音色で、教えた通りちゃんと弾けていたのです!!
これは大変な努力をしてこられたと思いました。
この奏法は、これまでの「指先に手の重さを伝えそれを支えて起き上がる」事と、
「音の上下の動きに合わせた手首の上げ下げ」の2つの事に、細心の注意を払ってやらないとできないのですから。
これほどまでに、高等テクニックが身についておられたことに、大変驚きました。
もう完璧といっていいほどに、「重力奏法」の手の使い方が、理想的な仕上がりになっていました。
思わず感動!!
しかも、私が「歩き」に例えたイメージを、第5指に至るまで、一歩一歩鍵盤を「踏みしめ」て、
実に確かな指の動きで「歩き」を実感されていたようでした。
これがホンモノを手に入れられた証拠なのです。
DVD「田島孝一の『指歩きピアノ奏法』のすすめ」の副題「~ピアニストの手をつくるレシピ~」どおり、
ここにTさんはその「確かな手」の土台を作ることができられたのです。
この「レシピ」という呼び方は、最近読んだ
『パスカル・ドゥヴァイヨンのショパンエチュードの作り方・作品10』という本の前書きにも、
同じくこの「レシピ」という名前を使っているのを見つけました。
私のDVD(2007出版)では、単なる「手の作り方」だけなので、この本の「曲の弾き方=料理の作り方」とは違いますが、
両者は大変よく似た視点のように見えます。
コラム
双方に共通している大切な視点は「作り方」。
必ずそれができるための方法=レシピがある、ということなのです。
つまりそこには、「こうすれは必ずこうなる」という、
理にかなった合理性があるのです。
私は目の前の生徒の困難を即座に解決する方法を、常に探し続けてきましたから、
その方法=レシピをたくさん持っていますので、
必要に応じ、いつでもすぐにそれを取り出すことができます。
さらに、生徒に合わせた新たなレシピも、その場で作ることができるのです。
これは一つの料理の形を元にして、創作料理を生み出すのと同じことなのですから。
(コラム終わり)
前掲の本は、現在に至るピアニスト4大系譜のうち、ツェルニー・リスト系の「重力奏法」ではなく、
当然のことですが、ショパン系の「重力奏法」で解説しています。
特に「ショパンのテクニックについて知っておくべきこと」として、
手の扱い方についての重要なポイントが大変合理的に書かれています。
上級者だけでなく、中級でショパンエチュードをまだ弾けないレベルのピアノ学習者にとっても、
その考え方はとてもためになるので、必読のテキストとしてオススメです。
その中には、私の「棒起こし」奏法(当ブログ6行目参照)にも通じる記述も見受けられました。
「豊かで・・硬さのない伸びのある響きを得るために、鍵盤のそばから打鍵します」と。
つまり、ハイフィンガー奏法のように、高く持ち上げた指から打ち下ろす奏法では出来ないのです。
鍵盤そばからの打鍵も、私の「棒起こし」奏法で指が触れている状態からの打鍵も、
鍵盤に加わる力加減や指の感触、出てくる音色などは、ほとんど変わりがありません。
さあこれで、この曲はほぼ予定どおり、いいえ、予想以上の仕上がりで完成です。
あとはさらに数多く弾きこなして、身に染み込むまで、磨きをかけていただければいいのです。
<仕上がった時から本当の練習が始まる>
多くの先生方のレッスンでは、「よくできましたね。では次の曲を。」となって完成した曲をやめてしまいがちですが、
私のレッスンでは、この曲のように「重力奏法」の基本を学んだ重要な曲は、
ここから本当の練習がはじまるのです。
短い何曲かを何年も弾き続ける事には、大きな利点があります。
私は10年間それらを弾き続け、なかなか出せなかった恩師から求められた音。またギレリスの美しい音色を追い続けた結果、
やっと美しい音色画面出せる奏法を独力で手に入れました。
しかもそれは、はるかに楽に奏でられる「指歩きピアノ奏法®」≒「重力奏法」だったのです。
私が「指歩きピアノ奏法®」と命名した(1991)その奏法は、実は当時の私も、まだその名前の存在を知らずにいた、
「重力奏法」と共通するものだと後になって知ったのです。
もし学習者が、将来思い通りに弾けない曲が出てきた時に、原点となる曲を思い通り弾ければ、
今行き詰っている曲を弾きこなすための解決方法を、きっと見つけることができるでしょう。
私がここまでのレッスンで目的としたことは次の4つでした。
初学者Tさんにもできた、すべて美しい音色で奏でられるこの手の使い方。
しかしこれができるピアノの先生が、いったいどれほどおられることでしょう。
多い目に見ても、中堅以上のピアニストで10人に一人あるなしではないでしょうか。
重力奏法(ロシア奏法)で教えられる街中のピアノの先生となると、もっと見つけられないでしょう。
なぜなら、ハイフィンガー奏法で学ばれた方が多いため、
このように美しい音色で、しかも静かな手の動きで弾ける日本人ピアニストは、
テレビなどの映像を見ていても、まだまだ少ないと痛感させられるからなのです。
このハイフィンガー奏法は、著名なピアニスト故中村紘子氏が留学先で、
「あなたの弾き方は100年前の奏法です。一からやり直ししましょうね。」
と言われて大ショックを受けられたと、その著作に書かれているとおり、
現代では間違った奏法なのです。
最も多く使われてきた『バイエルピアノ教本』(国内版)に、「正しい手の形」の写真を載せたものがあります。
またもう一つの主流、戦後から使われてきた『メトードローズ』にも正しい姿勢の絵がありますが、
それら2つの教本の指先は、鍵盤に対して垂直に当たっています。これはハイフィンガー奏法の大きな特徴なのです。
特にメトードローズには、黒鍵までも指先が垂直に当てられていますが、
これでは黒鍵を滑らせてミスを誘発させてしまうので、ありえない指の使い方です。
信じられないことに、それらが「正しい形」として掲載されているのです。
重力奏法の視点から見れば、
これをお手本として学ばれた非常に多くの先生方は、間違った手の形で学ばれてきたのです。
それに対して、重力奏法で使われている手の形は、
セイモア・バーンスタイン著『ピアノ奏法20のポイント』に頻繁に載せられている写真に見るように、(常にではありませんが)
第3関節から指がまっすぐ鍵盤に伸びているのが基本の形なのです。
海外ピアニストのほとんどすべての人は、この指先が前に伸ばされた指で弾いています。
その結果、鍵盤に当たる指の部分は、指紋のある「指の腹」と呼ばれている柔らかいところです。
それだからこそ、柔らかく美しい音色を奏でやすいのです。
この手の形なら、ピラミッド型にとんがった、一番大きな第3関節で腕の重さをしっかりと受け止められ、
それを指先で鍵盤まで伝えることができるのです(重力奏法)。
この両者の差が一番よくわかるのは、外国のピアニストと日本人が連弾しているTV画像での比較です。両者の手の使い方の違いは一目瞭然。
水面をアヒルのように騒々しく動く日本人の手と、白鳥のように静かに動く外国人たちの手の動き。
私はこの両者の違いを学生だった約50年前から、興味深くずっとTV画面で注視し続けてきました。
そして『指歩きピアノ奏法』にたどり着くまで、その原因をずっと探し続けていたのです
その後「ハイフィンガー奏法」と、対照的な「重力奏法」の名前の存在を知った時、
すべての謎が解け、私の『指歩きピアノ奏法』の正しさも、同時に確認できたのです。
その8–2に続く
(2019.4.22 ピアノレッスンクリニック芦屋 田島孝一)
■■□―――――――――――――――――――□■■
ピアノレッスンクリニック芦屋
【住所】
〒659-0091
兵庫県芦屋市東山町28-19
【電話番号】
0797-55-7077
【営業時間】
9時~20時ごろ
【定休日】
不定休
■■□―――――――――――――――――――□■■