<番外編> 初学者Tさんの急成長に見る「最も大切にしなければならないポイント」

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<番外編> 初学者Tさんの急成長に見る「最も大切にしなければならないポイント」

重力奏法(ロシア奏法)によるレッスン法・Tさんシリーズ

2019/08/25 <番外編> 初学者Tさんの急成長に見る「最も大切にしなければならないポイント」

<番外編> 初学者Tさんの急成長に見る「最も大切にしなければならないポイント」

~プロでも知らない人が大勢いる極めて重要な土台~

ピアノレッスンクリニック芦屋 田島孝一

2019.8.9

前回のブログ<その10>では、昨年9月から始められて10ヶ月後のTさんが、

  • 指で歩いている!」と、ご自身の確かな手ごたえで実感されたこと
  • プロでもできない人がとても多い、

「手の平での音色のコントロール」も見事に実現されたこと

 

この2つもの「超上級テクニック」を、実感と共に把握されたことが、その内容の中心でした。

 

今回はその2点が、

何を目的とした学習で、なぜそれほど重要なのか

ピアノに関わる多くの方々に、ぜひご確認いただきたいそれらを明かしていきます。

 

☆Tさんの熱意の源は?

 

それにしても、いつも感心させられるのは、Tさんの探求心と熱心さです。

5週目も強いご希望で、休まれたことはありません。

毎回レッスン中に「面白いですねぇ」と何度もつぶやかれるくらい、

よほどの面白さと、やりがいを感じておられるようです。

 

初学者ながらも、ご自宅に防音室と共にグランドピアノまで購入されたTさんですから、

それは当然のことなのでしょう。

 

また、グランドピアノによって、音色の違いがよりいっそう明確に表れるため、

練習の楽しさが倍増されたのかも知れません。

 

まず昨年9月から6月まで10ヶ月もの間、

毎回必ず5指のチェックのために復習されている、

たった5音で4小節の短い「基礎練習曲」

 

(しかしこの曲では、指の使い方によって明瞭に音色の差が出るため、

良い時悪い時がご自分で確認できるため、練習のしがいがあり、

練習自体が面白いのです。)

 

それに加えて約1か月後に始めた

「素直な心」とバッハの「平均律第1番前奏曲」

(グノーの名歌曲「アヴェマリア」の伴奏としてよく耳にする曲)も、

名曲のゆえか、全く飽きられる様子はありません。

 

またさらにTさんは、

毎回のように、より美しく、

より楽に弾ける奏法を手に入れられたという、

新鮮な驚きと感動を、満足感と共に持ち帰っておられる様子です

☆プロとアマの演奏の違いとは?

一般的なレッスンでは、学習者と教師の双方ともに、

(従来行われてきた慣習に従って、また、

それぞれのライバル的存在との競争意識もあってか、)

ただグレードを先へ進める事に目標を置きがちです。

 

しかし、プロの演奏とは程遠い不十分な仕上がりのまま

次々と先に学習を進めても、自己満足にとどまるだけで、

ホンモノの演奏とはかけ離れている「似せ物」。

 

そんなレベルで満足されていて

本当にそれでいいのでしょうか?

 

一般にプロの演奏は、「決してアマチュアにはできないもの」

との印象がありますが、本当は、

「こんなにも弾きやすく手を使っているのか!」と

驚くほど楽に手を動かせる方法で弾いているのです。

 

だからこそ、さまざまに感情移入して、

自由に表現力を発揮できるのです。

 

それをまだ初学者のTさんが、

アマチュアでも短期間で簡単に手に入れられると、

今回もまた体験され、証明されたのです

 

 

日本人のピアニストがそれを手に入れるまで、

大変な努力と時間がかけられてきた事は事実です。

 

でも、その努力の中身に、ムダはなかったのでしょうか

これまで何度も書いてきた通り、

その不合理な練習法というムダを、私は指摘しているのです

 

無駄の最悪の原因は、ハイフィンガー奏法。

これがプロ的な演奏へ容易に到達できなくしている元凶なのです。

それを知った中村紘子氏(カレーの古いCMで有名)は、

「ハイフィンガー奏法」を悪名として広められたのです。

 

そして、それを根拠に私が、

「ここに不合理な練習法の原因がある」と指摘し、

本来の合理的な練習法をお伝えしているのです

 

Tさんが実証されたように、

はじめから合理的な手の使い方で練習しておけば、

「本来の短い期間で上達できる」のは、ごく当たり前の事なのです。

そしてその期間は、Tさんの場合、

1年以内という結果になったのです。

 

 

しかし、ほとんどの日本人ピアニストは、

(ごく少数の恵まれた教育で育った方は別として、)

それを少なくとも10年以上、多くの人は、

中村紘子氏のようにハイフィンガー奏法の弊害で、

いまだに手に入れていません。

 

ですから、この重要な「ヒミツの手の動かし方の土台」を、

まだ初学者のアマチュアTさんが、前回手に入れられた事は、

Tさんにとって、大変な快挙だったのです。

 

 

◎最も大切にしなければならないポイント

 

私の考えでは、
たった5本ずつしかない、ピアノを弾くための道具である指を、

意のままに動くよう、最低限のレベルに磨き上げてしまうほうが、
それ以後の曲を、より短期間で心地よく仕上がるようになり、

その曲で本来学ぶべき技術の進歩や成長も、確実に習得できる。

 

何よりも、海外のプロピアニストのように、

美しい音色で意のままに、満足しながら演奏表現できるのです

 

これらの大きな利点が得られるのですから、

最も大切にすべき重要な取り組みだと確信しています。
何十年ピアノを弾き続けている

(ハイフィンガー奏法の)ピアニストにはできないほどの、

美しく弾くための大切な土台の技術

 

Tさんのように、これだけの短期間で簡単に手に入ってしまう、

これらの大変重要な基礎・土台を学ぶこともせずに

 

「そんなことに時間を割いている間がない」

というような価値観の違いからか、

大事な基礎練習を避ける人がいるのが、

とても不思議に思えてなりません。

 

この疑問への答えは、たぶん次のような原因があるのではないでしょうか。

 

◎レッスンに追い立てられて、

練習の工夫を主体的に「考えるゆとり」を持てない日本の学習者たち

 

日本のレッスンでは、とかくレベルを上げる事を急ぐためか、

息つく間も与えないほど課題が与えられるようです。

 

そのため生徒たちは、日々それらを消化するための練習に追い立てられ続け、

練習方法の改善を工夫し、論理的に判断しながら、

どう手を使えばいいかなど、それらを考えながら練習する

「時間と心のゆとり」がないようです。

 

そもそも日本の子弟関係の悪習、「教わったとおり」しか「してはいけない」

との束縛が基底にある、さらにその上、その追い立てられ続ける日々の中で、

「そんなことに時間を割いている間がない」

というような価値観が、無意識的に生まれてくるのではないでしょうか。

 

その習癖のためか、

ほとんどのピアノ教師は、

「運動の法則」で手の動きを観察し分析しようとはしません

 

そんな観点に基づいてピアノ奏法を解説した国内書籍には、

いまだ出会ったことがありません。

そもそも、ペンを握る日本のピアニストは非常に少なく、

ピアノの理論書はほとんど見当たりません。

 

邦訳の海外書でも、S.バーンスタイン著『ピアノ奏法20のポイント』など、

一部散見されるくらいでしょうか。(海外では筋肉や骨格の解説書・資料もあります。)

 

しかし、

手の動きでピアノを弾くのですから、

当然そこには運動の法則が存在します

 

運動にはすべて、学校のクラブであっても、準備運動と基礎練習は不可欠

(イタリアの名ピアニスト、S.フィウッチ先生から、

手のストレッチを教わったこともあります。)

 

正しい基礎練習なしに、ただやみくもに曲の練習をしても、

うまく出来ないのは当たり前だと、

なぜそんな簡単なことに気が付かないのか、まったく不思議です。

(ハイフィンガー奏法では、指をただ強くする事が基礎とされているのでしょうか?)

 

もし基礎練習の意義を、そう正しく理解できたら、

決して基礎練習をおろそかにすることはないでしょうに

 

(『日本人の音楽教育』(新潮選書)の中で、ピアニストのR.カヴァイエ氏は、

日本人の間違ったピアノ教育について指摘しています

その記述の約7割には、私の考えとほぼ同じような指摘をされています

ただし、そこでも運動の視点は、まったく書かれていません。

またその出版後、今に至る約30年もの長期間に、日本で明確な変革は何も起きていません。)

 

☆☆ ピアノ学習は自在に扱える5本の指を、

先に手に入れてしまってから本格的に曲の練習に取り組むほうが、

おもしろいほど楽に弾けるようになります。

(いい道具を持たないと、名工の大工さんでも、思い通り仕事は出来ません。)

 

さらに、

無駄な動きによる苦労も少なく、

曲が仕上がるまでの練習時間も、大幅に短くなります

(これが合理的な学習法であることの証明になります。)

 

けれどもTさんには、基礎練習で5本の指の土台作りを始めたわずか3か月前後から、

名曲を2曲もほぼ同時に練習し始めていただきました。

それは次のような重要な作戦があったためなのです。

 

基礎練習と密接に関連した応用学習」として、

その目的に最適な曲を、同時進行で練習をおこなうという、

ごく常識的な「指導のねらい」があるからなのです。

(広く一般的に使われているハノンで予備練習をしても、

その次に弾く曲との間には、多くの場合、何の関連性もありません。)

 

さらにまた、

一番の目的は「美しい名曲を弾いて楽しんでいただくためなのです。

その波及効果で、「学習意欲をいっそう高められるよう、 

広く愛されている名曲や、弾いて楽しめる愛らしい曲を選曲しているのです。

 

 

このようにTさんへのレッスンは、

目的達成への確かな妥当性を持ちながら、

しかも独自性と計画性のある学習法・指導法を特徴としているのです。

 

 

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