「指歩きピアノ奏法®」からショパン・メトードを読み解く

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「指歩きピアノ奏法®」からショパン・メトードを読み解く

「指歩きピアノ奏法®」からショパン・メトードを読み取る

2020/10/05 「指歩きピアノ奏法®」からショパン・メトードを読み解く

しばらくブログを書くのがお留守になってしまいましたが、

それは今回ご紹介する新刊書を読み解くのに没頭していたからでした。

本年6月末に音楽之友社から出版された

弟子から見たショパン~そのピアノ教育法と演奏美学(増補最新版)は、

ショパンに関連した資料を30年にわたり集大成した研究書で、

ショパンのピアノ演奏法だけでなく、

彼が自分の奏法をテキストにしようとして書いた未完の、

『ピアノ奏法の草稿』を知ることのできる、

大変貴重な資料集になっています

 

その草稿にはE()-H()に全5指を置き、

3本は黒鍵に置くショパンの指導用基本ポジションで、

(A)~(D)まで4種類・4段の短い楽譜が載せられていました。

 

それを弾いてみた時、その一連の流れから、

私はすぐにその順序を設定したショパンの「ねらい」が読み取れたのです。

そしてその瞬間に、私は「目から鱗が落ちる」ほど驚かされました。

文中の注にも、あのネイガウスがこれを見て、

「コロンブスの卵」だと言ったとありました。

つまり、誰もその点に気が付かなかったという意味なのでしょう。

 

ではその「ねらい」とは何か。

それは私が「指歩きピアノ奏法®」でずっと基礎学習の中心目標にしてきた、

手のひらでつかむという手の使い方が、

最初の(A)段階のスタッカート奏法(本文の表記。楽譜上の記号はスタッカーティッシモ)

で、その学習目標達成が即座に可能になっている点だったのです。

 

私はこれまで、

ハイフィンガー奏法で第2関節を高く持ち上げる動きを、

音色表現などできわめて重要な働きをする、

「つかむ」動きを阻害している元凶として排除してきました。

 

そのため基礎段階では、まず他の関節を使わせないため、

あえて指をまっすぐ伸ばしたまま、

3MP)関節だけで「つかむ」弾き方を学ぶことから入っていたのです。

(セイモア・バーンスタインも著書で指を伸ばした手の形の写真を載せています。)

 

ところがショパンの方法だと、

「つかむ」のに必要な指関節の働きを、

最初から「正しく」学習することができるのです!

「何と合理的で高効率な方法なのか!」と私は大変驚いたのです。

 

(ネイガウスが驚いたのは、合理的なショパンの手のポジションについてだけだったのか。

私が見つけた「つかむ」手の使い方を、どう見たのかまでは書かれていないのでわかりませんが、

以下に挙げたp150-151の注にも、他の点を絶賛している一例を見ることができます。)

 

では次に、私が読み解いた4段階それぞれの「ねらい」と共に、

その学習順序の流れを明らかにしてみましょう。

 

  • (A)はすでに説明した通り。

ここで一瞬にしてつかむ手のひらの動きと共に、

音色や音量をコントロールする、

重要な手のひらの感触までも学ぶことができます。

 

  • (B)はその感触をキープしながら、

やや粘っこい感じの長い「スタッカート=レガート」にして、

弾むような(portandoネイガウスp150)感じで弾く方法。

私はこれを、(A)のスローモーションとして捉えています。

その理由は、手のひらの感触を、じっくり確かめることが目的だと見たからです。

 

  • (C)はアクセント付きのレガート。

一見マルカートのように見えますが、

レガートの範囲内で強い音を奏でながら弾く練習。

これは(B)の延長線上にあり、次の(D)へ準備段階になっています。

 

  • (D)は仕上げ段階

ショパンはここだけ詳しい説明文を書いています。

要約すれば、様々な強弱と速度で弾けて、

しかもそれをすべてレガートで弾くことです。

言い換えれば、

あらゆる表情をつけて演奏表現できる手を作ることだといえるでしょう。

 

ショパンは手のひらで「つかむ」事については何も書いていませんが、

その働き無くしては、これら4段階の手の操作は不可能になるでしょう。

また、その視点から見るからこそ、

この4段階相互の流れが明らかになるのです。

最終的にショパンはレガート奏法を目指していたことは、

この一連の流れを見ても明らかです。

私の「指歩きピアノ奏法®」も、次のとおり同じくレガート奏法が基本です。

 

人は一歩前進する時、

次の足が地面に触れた瞬間は、まだ前の足に体重が残っていて、

徐々に重心移動が行われます。

そして完全に前の足が離れる瞬間まで、両足は地面に触れています。

 

鍵盤上でこれを行えばモルトレガートです。

これが「指歩きピアノ奏法®」なので、完全なレガート奏法になっているのです。

こうすれば、手が常に安定した状態で鍵盤上を「指で歩く」事ができます。

そのため次の鍵盤へ、より確実に手や指を運ぶことができるのです。

 

また次の指も、地上ならぬ鍵盤に触れてから弾くので、

腕などの重さを支える目的で力を使う「重力奏法」では、

「叩く」という弾き方は起こりえないのです。

 

「指歩きピアノ奏法®」では、

他にトランポリンの上でジャンプする時と同じような手の動きをも使いますが、

  • (A)を行う時にも、同じ様に手のひらの働きを使うため、

このショパンの「狙い」が、すぐに私にも読み取れたのではないかと思っています。

 

さらに本文中にも、このトランポリンの動きを彷彿とさせる記述も見つかり、

この本は当教室が開設している

上級者を対象にした「プロフェッショナルコース」の学習ための、

確かなバックボーンとなるため、

テキストとして大変使い易いものになっています。

 

それと同時に、「指歩きピアノ奏法®」をより確実なものへと、

さらに充実させ成長へつながる、新たな発見が次々と見つかるため、

これからさらに読み解いていくのが大変楽しみな一書であります。

 

さらにまた、

ショパンの「ねらい」を読み解くことができる人が増えれば、

今後の日本のピアノ界にとっても、

きわめて重要な一書になるのではないでしょうか

 

何よりも、あの「現代ロシアピアニズム」の元祖で名教師のネイガウスが、

ショパンの奏法を絶賛しているのですから。

 

このような指導法や演奏法にご興味のあるピアノ指導者・ピアニストの方は、まずは無料体験会へ。

もし、行き詰まりを感じていたり、このままで良いのかと思っておられるようでしたら、この体験会できっとその解決の糸口を見いだせることでしょう。

 

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