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〒659-0091 兵庫県芦屋市東山町28-19
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参考図書に『弟子から見たショパン~その教育法と演奏美学』を選んだ理由・その1 「プロフェッショナルコース第1期」のレッスン内容紹介②
この本は、前回ご紹介したとおり、ショパン自筆の未完のテキストがどんなものであったのかを見る事ができ、さらに、弟子たちがどんなレッスンを受けたのか、彼らの証言を通してショパンのレッスン法や、何を教えるべきであると考えていたか、その考え方までも知る事ができます。
読んでみたところ、私がこれまで行ってきた様々なレッスン方法と、非常に似通った共通点が数多く見つかりました。それらの共通点を、私のレッスンの適切さを裏付ける資料として、「プロフェッショナルコース」で私が行ってきたレッスン内容をご紹介しながら、ショパンの考え方やレッスン法と共にご紹介していきます。
まずはこのプロフェッショナルコースでこの本を使う決め手になった2つの理由を、今回から2回にわたりご紹介していくことにします。
第1の理由は、手の能力を育てるのに有効な動きが、たった一度で成功する方法であったこと。
ショパンの方法は、私の方法以上に簡単で、一瞬で!それを手に入れることができたからです。
(以下の二重下線は、ショパンと私との共通点です。)
ショパンは「最初のレッスンから、指を独立させて自由に弾けるよう・・」また、「手がうまく使えて、しかも美しいフォームになるよう」(同書p56)にと、レッスンの始めに初心者を含めて必ず基礎練習させていたそうです。その方法は後述します。
この点は私の考え方もまったく同じで、毎回レッスンの最初に、美しい音色を奏でられる手指の土台を作る目的で、必ずそのための基礎練習をしてきました。
多くの先生方はハノンなどを、指の強化練習や指を動きやすくする練習に使われます。しかしその練習中に、一音ずつの美しい響きや、その時々に指に伝わる手応えをなどをチェックされる事は、ほとんどないのではないでしょうか。ひどい場合には、好きな本を読みながら、手だけ動いていればいいという練習状態もあるそうです。(『日本人の音楽教育』R.カヴァイエ)
ショパンはそれら指の強化のための多くの練習曲を、「無益でたいくつな訓練は‥何の役にも立たぬもの」(p282)とその教本の序文で、バッサリと切り捨てています。
ショパンも私もレッスン時に、聴覚で一音ずつ発せられた音の響きが美しいか、手応えはどうだったか(触覚)など、出来・不出来を必ず確認させながら練習をさせています。このように注意深くチェックをしながら、ピアノを弾く道具として「手の土台」を育てるために、ショパンも私も、それを行なうための専用練習教材を使って行なってきたのです。
ショパンは「耳が良くなり筋肉を自由に制御しリラックスさせることができるようになる・・」(p25)また「触覚と聴覚を研ぎ澄ますこと。最初のうちショパンがレッスンで教えるのは、この2つであった。」と書かれています。(同)
私はこれに視覚を加え、手の動きが合理的な「美しいフォーム」なっているかを観察させるのです。
もしかすると練習に向きあう姿勢(=練習法)の違いが習慣となって感覚にしみ込み、ピアニストたちによる演奏の質の違いとなって反映されているのかもしれません。
すでに一昨年(2019)からブログのシリーズでもご紹介している壮年の初学者Tさんに、
「指はたった5本しかない」と、私は初回から、その各指から美しい音色を生み出すレッスンをしてきました。美しい音色は無駄な力を使わない中でしか生まれないからです
その練習を通じて、各指がしっかりと自立(=独立)し、弾きやすく頼りになる指に育てる事をめざす。これが私が言う「基礎練習」の目的です。(ショパンも「指を独立させる5指練習」を行っていました。)
そしてショパンもその基礎練習の目的を、次のように示しています。
「ffからppへ、andanteからprestissimoへと思いのまま変化させながら、
指の動きをいくらか強調して、自由な弾き方でレガートを練習する」(p57)
いかがでしょうか。これはもうピアノを弾く手の、ほぼ完成と言えるのではないでしょうか。
繰り返しますが、これが基礎練習の目的なのです。
私の考えの根拠は、「手はピアノを弾く道具。いい道具を使わないといい仕事はできない。」という、ごく一般的な常識論によるものです。その意味で「指は片手に5本ずつしかない」と言って、毎回レッスンの始めに基礎練習を続けています。
この点で私もショパンと同じ考えで、「手を育てている」と言えるのではないでしょうか。
「5指の基本ポジション」で行われる4種の「指を独立させる5指練習」(p57)
ギレリス、リヒテル、ルプーなど、数多くの大ピアニストを育てた名教師ネイガウスが、ショパンのこの基本ポジションを見て、「コロンブスの卵だ!!」と絶賛したそうです。(p144)
つまり「誰も思いつかなかった絶妙の学習法だ」という意味なのでしょう。
「5指練習」の方法については、何も書かれていませんが、
次の記述をみれば、その練習を含んでいることは明らかです。
ネイガウスはさらに、「10冊もの著作(ブライトハウプトやその他大勢の)に値する」と大絶賛。(同)
つまり当時広く使われていたその10冊分は、読む必要も練習する必要もないという意味になるでしょう。それほど練習効率が高いという事なのです。
次回「第2の理由」でご紹介しますが、ショパン自身も、彼が書き残した未完の教本の中で、三つの技法(次回ご紹介する①~③)を学べば、「それ以外の練習を考える必要はない」と言っています。
(p288)
きっと練習効率が高いために、それだけの練習で十分だということではないでしょうか。
何とすばらしい、実にありがたい事ではないでしょうか!!
これはもっと大切にされなければなりません。
私も、常に効率の高い練習法を求め続け、進歩を感じられない退屈で無駄な練習は避けてきました。その結果、自然に運動力学の視点から練習法の有効性を考え始めるようになり、それが「指歩きピアノ奏法®」に結実したのです。
ショパンもまた私と同じく、常に科学的視点でピアノに向かっていたとのことです。(P10)
その基本ポジションで行われる、4種の「指を独立させる5指練習」のうち、最初のスタッカートでの練習法を弾いてみて、私もネイガウスと同じく、その効率の高さに、非常に驚かされました。
(この4種の練習法は、次の順序で進められます。
(A)スタッカーティッシモ
(B)スタッカート=レガート(=ノンレガート、または重いスタッカート)
(C)アクセントのついたレガート
(D)「ffからppへ、andanteからprestissimoへと
思いのまま変化させながら、指の動きをいくらか強調して、
自由な弾き方でレガートを練習する」
私が現在特別に教えている唯一の児童(6歳)が、(A)のスタッカートを見事に美しいフォームで示したことは10/20のブログ<ピアノの先生必見!幼児がショパンメトードの基礎を見事な出来ばえで弾けました!>に動画と共に紹介しています。
児童のこの美しい手のフォームは、かつてレコードやCDのポスターで見られたプロピアニストの手とまったく同じ手の形です。これは本ブログの初めの方でご紹介したショパンの目的、
「手がうまく使えて、しかも美しいフォームになる」(p56)の、一つの好例になるでしょう。)
「ピアノを弾く手をまず作る」
これが初学者から上級者に至るまでの、私のレッスンの基底にあります。
(2007年出版した私のDVD『田島孝一の指歩きピアノ奏法のすすめ』のサブタイトルも、
「ピアニストの手を作るレシピ」です。)
手が「ピアノを弾くための道具」になっていないまま難しい曲を弾くと、手指の使い方が間違っているため手に無理を強いる事になり、練習に大変苦労するという当然の結果が現れるのです。
指の独立を目指したショパンのレッスン法について、この本の筆者は、
「かなり長い訓練を経なければ指を独立して使わせようとしない他の教師とはこの点が違う」
と述べています。(p56)
その「5指練習」の方法で最初の1音を鳴らしてみた瞬間に、私の方法で1音を発した時の手の感触と、手にまったく同じ感触と確かな手応えがあり、私にはすぐにその即効性のあるショパンの方法のすばらしさがわかったため、以上の事が言えるのです。
欲しかったものが、こうも簡単に一瞬で手に入れられるとは!!
これには私も「これこそコロンブスの卵だ!!」と驚嘆しました。
このように、これほどまで私が感動したショパンの練習効率の高さが、この本をレッスンに使おうと思った最初のきっかけになったのです。
このような指導法や演奏法にご興味のあるピアノ指導者・ピアニストの方は、まずは無料体験会へ。
もし、行き詰まりを感じていたり、このままで良いのかと思っておられるようでしたら、この体験会できっとその解決の糸口を見いだせることでしょう。
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ピアノレッスンクリニック芦屋
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22/09/24
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この本は、前回ご紹介したとおり、ショパン自筆の未完のテキストがどんなものであったのかを見る事ができ、さらに、弟子たちがどんなレッスンを受けたのか、彼らの証言を通してショパンのレッスン法や、何を教えるべきであると考えていたか、その考え方までも知る事ができます。
読んでみたところ、私がこれまで行ってきた様々なレッスン方法と、非常に似通った共通点が数多く見つかりました。それらの共通点を、私のレッスンの適切さを裏付ける資料として、「プロフェッショナルコース」で私が行ってきたレッスン内容をご紹介しながら、ショパンの考え方やレッスン法と共にご紹介していきます。
まずはこのプロフェッショナルコースでこの本を使う決め手になった2つの理由を、今回から2回にわたりご紹介していくことにします。
第1の理由は、手の能力を育てるのに有効な動きが、たった一度で成功する方法であったこと。
ショパンの方法は、私の方法以上に簡単で、一瞬で!それを手に入れることができたからです。
(以下の二重下線は、ショパンと私との共通点です。)
ショパンは「最初のレッスンから、指を独立させて自由に弾けるよう・・」また、「手がうまく使えて、しかも美しいフォームになるよう」(同書p56)にと、レッスンの始めに初心者を含めて必ず基礎練習させていたそうです。その方法は後述します。
この点は私の考え方もまったく同じで、毎回レッスンの最初に、美しい音色を奏でられる手指の土台を作る目的で、必ずそのための基礎練習をしてきました。
多くの先生方はハノンなどを、指の強化練習や指を動きやすくする練習に使われます。しかしその練習中に、一音ずつの美しい響きや、その時々に指に伝わる手応えをなどをチェックされる事は、ほとんどないのではないでしょうか。ひどい場合には、好きな本を読みながら、手だけ動いていればいいという練習状態もあるそうです。(『日本人の音楽教育』R.カヴァイエ)
ショパンはそれら指の強化のための多くの練習曲を、「無益でたいくつな訓練は‥何の役にも立たぬもの」(p282)とその教本の序文で、バッサリと切り捨てています。
ショパンも私もレッスン時に、聴覚で一音ずつ発せられた音の響きが美しいか、手応えはどうだったか(触覚)など、出来・不出来を必ず確認させながら練習をさせています。このように注意深くチェックをしながら、ピアノを弾く道具として「手の土台」を育てるために、ショパンも私も、それを行なうための専用練習教材を使って行なってきたのです。
ショパンは「耳が良くなり筋肉を自由に制御しリラックスさせることができるようになる・・」(p25)また「触覚と聴覚を研ぎ澄ますこと。最初のうちショパンがレッスンで教えるのは、この2つであった。」と書かれています。(同)
私はこれに視覚を加え、手の動きが合理的な「美しいフォーム」なっているかを観察させるのです。
もしかすると練習に向きあう姿勢(=練習法)の違いが習慣となって感覚にしみ込み、ピアニストたちによる演奏の質の違いとなって反映されているのかもしれません。
すでに一昨年(2019)からブログのシリーズでもご紹介している壮年の初学者Tさんに、
「指はたった5本しかない」と、私は初回から、その各指から美しい音色を生み出すレッスンをしてきました。美しい音色は無駄な力を使わない中でしか生まれないからです
その練習を通じて、各指がしっかりと自立(=独立)し、弾きやすく頼りになる指に育てる事をめざす。これが私が言う「基礎練習」の目的です。(ショパンも「指を独立させる5指練習」を行っていました。)
そしてショパンもその基礎練習の目的を、次のように示しています。
「ffからppへ、andanteからprestissimoへと思いのまま変化させながら、
指の動きをいくらか強調して、自由な弾き方でレガートを練習する」(p57)
いかがでしょうか。これはもうピアノを弾く手の、ほぼ完成と言えるのではないでしょうか。
繰り返しますが、これが基礎練習の目的なのです。
私の考えの根拠は、「手はピアノを弾く道具。いい道具を使わないといい仕事はできない。」という、ごく一般的な常識論によるものです。その意味で「指は片手に5本ずつしかない」と言って、毎回レッスンの始めに基礎練習を続けています。
この点で私もショパンと同じ考えで、「手を育てている」と言えるのではないでしょうか。
「5指の基本ポジション」で行われる4種の「指を独立させる5指練習」(p57)
ギレリス、リヒテル、ルプーなど、数多くの大ピアニストを育てた名教師ネイガウスが、ショパンのこの基本ポジションを見て、「コロンブスの卵だ!!」と絶賛したそうです。(p144)
つまり「誰も思いつかなかった絶妙の学習法だ」という意味なのでしょう。
「5指練習」の方法については、何も書かれていませんが、
次の記述をみれば、その練習を含んでいることは明らかです。
ネイガウスはさらに、「10冊もの著作(ブライトハウプトやその他大勢の)に値する」と大絶賛。(同)
つまり当時広く使われていたその10冊分は、読む必要も練習する必要もないという意味になるでしょう。それほど練習効率が高いという事なのです。
次回「第2の理由」でご紹介しますが、ショパン自身も、彼が書き残した未完の教本の中で、三つの技法(次回ご紹介する①~③)を学べば、「それ以外の練習を考える必要はない」と言っています。
(p288)
きっと練習効率が高いために、それだけの練習で十分だということではないでしょうか。
何とすばらしい、実にありがたい事ではないでしょうか!!
これはもっと大切にされなければなりません。
私も、常に効率の高い練習法を求め続け、進歩を感じられない退屈で無駄な練習は避けてきました。その結果、自然に運動力学の視点から練習法の有効性を考え始めるようになり、それが「指歩きピアノ奏法®」に結実したのです。
ショパンもまた私と同じく、常に科学的視点でピアノに向かっていたとのことです。(P10)
その基本ポジションで行われる、4種の「指を独立させる5指練習」のうち、最初のスタッカートでの練習法を弾いてみて、私もネイガウスと同じく、その効率の高さに、非常に驚かされました。
(この4種の練習法は、次の順序で進められます。
(A)スタッカーティッシモ
(B)スタッカート=レガート(=ノンレガート、または重いスタッカート)
(C)アクセントのついたレガート
(D)「ffからppへ、andanteからprestissimoへと
思いのまま変化させながら、指の動きをいくらか強調して、
自由な弾き方でレガートを練習する」
私が現在特別に教えている唯一の児童(6歳)が、(A)のスタッカートを見事に美しいフォームで示したことは10/20のブログ<ピアノの先生必見!幼児がショパンメトードの基礎を見事な出来ばえで弾けました!>に動画と共に紹介しています。
児童のこの美しい手のフォームは、かつてレコードやCDのポスターで見られたプロピアニストの手とまったく同じ手の形です。これは本ブログの初めの方でご紹介したショパンの目的、
「手がうまく使えて、しかも美しいフォームになる」(p56)の、一つの好例になるでしょう。)
「ピアノを弾く手をまず作る」
これが初学者から上級者に至るまでの、私のレッスンの基底にあります。
(2007年出版した私のDVD『田島孝一の指歩きピアノ奏法のすすめ』のサブタイトルも、
「ピアニストの手を作るレシピ」です。)
手が「ピアノを弾くための道具」になっていないまま難しい曲を弾くと、手指の使い方が間違っているため手に無理を強いる事になり、練習に大変苦労するという当然の結果が現れるのです。
指の独立を目指したショパンのレッスン法について、この本の筆者は、
「かなり長い訓練を経なければ指を独立して使わせようとしない他の教師とはこの点が違う」
と述べています。(p56)
その「5指練習」の方法で最初の1音を鳴らしてみた瞬間に、私の方法で1音を発した時の手の感触と、手にまったく同じ感触と確かな手応えがあり、私にはすぐにその即効性のあるショパンの方法のすばらしさがわかったため、以上の事が言えるのです。
欲しかったものが、こうも簡単に一瞬で手に入れられるとは!!
これには私も「これこそコロンブスの卵だ!!」と驚嘆しました。
このように、これほどまで私が感動したショパンの練習効率の高さが、この本をレッスンに使おうと思った最初のきっかけになったのです。
このような指導法や演奏法にご興味のあるピアノ指導者・ピアニストの方は、まずは無料体験会へ。
もし、行き詰まりを感じていたり、このままで良いのかと思っておられるようでしたら、この体験会できっとその解決の糸口を見いだせることでしょう。
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