和音の手の形による「革命」の練習法  「プロフェッショナルコース第1期」のレッスン内容紹介~その⑤     「手が鍵盤に対して最も具合の良い位置を保つことを学ぶだけで良い」 byショパン

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和音の手の形による「革命」の練習法  「プロフェッショナルコース第1期」のレッスン内容紹介~その⑤     「手が鍵盤に対して最も具合の良い位置を保つことを学ぶだけで良い」 byショパン

プロフェッショナルコース

2021/02/22 和音の手の形による「革命」の練習法  「プロフェッショナルコース第1期」のレッスン内容紹介~その⑤     「手が鍵盤に対して最も具合の良い位置を保つことを学ぶだけで良い」 byショパン

『弟子から見たショパン~その教育法と演奏美学』に掲載されている、ショパンの自筆教本の最初、「ピアノ技法の定義」で、ショパンは次のように書いています。

「手が鍵盤に対して最も具合の良い位置を保つことを学ぶだけで良い」(p45)と。

 

(*本ブログ内のページ番号は、『弟子から見たショパン~その教育法と演奏美学』の該当ページ番号です。)

 


この「最も具合の良い位置」とは、「手にとって無駄な力を使わない、最も楽で自然な位置」だと読み替えることができるでしょう。これまで何度もご紹介してきたとおり、ショパンは常に「楽に、楽に!」(p25)と生徒に教えていました。

 

ショパンのこの考え方は、私が重視している

手のポジションで決まる指の配置と得られる手の安定感

とも共通した、「手の安定感}を求める考え方だと思われます。


前回も取り上げたショパンの5指基本ポジション」は、手を広げずに閉じた状態なので、常に手の平の中心に重心があるため手に安定感があり、しかもより奥にある3つの黒鍵には中3本の長い指、白鍵には短い1指と5指が配置されるという、大変理にかなったものです。この5指それぞれが、最も弾きやすいポジションで、それぞれの指の鍵盤を弾く能力(独立)が育てられるのです(これは私の過去のブログに、すでにそう推察した記述がありました)。もうこれ以上の方法はないと言えるでしょう。

 

 

私もこのような「手の安定感」を、多くの名ピアニストたちの手の動きから、読み取ってきました。

彼らは「頻繁に替え指を使う事により、手を拡げようとしない」のです。

 

私は若い時からずっと、これを見てとても不思議に思っていたのですが、「1指が手のポジションと指の配置を決定する」という事に気づくと共に、「手を広げなければ安定する」という至極当然の事に、ようやく気づいたのです。つまり常に手の重心を安定した中央寄りに置いておける」というメリットがあるのです。

 

そしてさらに、3和音と4和音の基本形とその転回形を、「手の基本ポジション」として練習しておけば、広げた手の下に必要な指を鍵盤上に配置させられ、それが手を安定させる秘訣だと、私は結論付けたのです。それがプロフェッショナルコースの第4課程で学ぶ、和音の手の形による練習です。

 

 

 

エチュード「革命」左手の練習法

その一例として、今回はエチュード「革命」の練習法をご紹介します。

恐らく多くの方々は、左手の速い練習に苦労されているのではないでしょうか。

今回の和音の手の形で練習すれば、きっと驚くほど簡単に弾けることがお分かりになるかと思います。
この左手の和音は、コードネームで書けばG9

つまりGを根音にしたCmoll属九の和音になっています。

それをラソファレのポジションと、(ミ)レシソの2つのポジションを1オクターブずつ3回低音域へ下がっているだけです。

しかも指使いはすべて3124ばかり。あとは12の音程が2度と3度を繰り返しているだけです。

ですからその練習は、3124 3124というように、24だけ同時に押さえていけば、そこで使われる指がすぐに準備されている状態を作る事ができます。

この方法は、パスカル・ドゥヴァイヨン著『ショパン・エチュードの作り方』にも書いていません。

 

さて次は、それを速く弾く練習法です。

はじめは♪のリズムで。

もう一つここで必要な動きは、黒鍵を弾く3指で手を持ち上げて1指を潜りやすくし、124にかけて順に下げていきます。これを毎回繰り返すのです。

 

2度3度の広がりの区別ができるようになれば、次はそれを3連符で、止まらずに練習します。

最後は24を別々にし、手の高さを1~4指まで徐々に下げていきます。

この動きも、ショパンが言う手が鍵盤に対して最も具合の良い位置を保つ」状態になっています。

きっとこれだけで、ほとんどの人は左手がもう楽々と指定の速度で弾けるようになっているはずです。

 

 

 

困難さを取り除く和音形での練習法

ではこのように、難しそうに見えた音型をいとも簡単に弾けてしまう理由を、簡単に分析してみましょう。

一番の理由は、素早く弾くべき指を準備できるかどうかです。

そしてそれを可能にするのが、和音形で手指を素早く、一瞬で準備する事なのです。

そうすれば、あとはそこに置かれた指を弾けばいいだけなのですから。

 

これは少し手を広げて弾くop25-1でも同じことです。

一度に和音が押さえられなければ、左右半分~3群に分ければいいのです。

半分の場合3指が、3群の場合は23指が左右の支点になり、柔軟な手首によって、指先が左右に向きを変えます。

それによって、届きにくいところまで、両端の1と5の指が届くようになります。(届かない跳躍は別)

 

 

ですからこの本でショパンの「手の基本ポジション」に出逢う以前から私は、

手の安定をはかる」という点において、ショパンが考えたねらいとの共通点があったようです

それが指で「歩く」という、ごく日常的で本能的な、安定した手指の使い方を目指す元になったのかもしれません。

 

和音の手の形による練習は、ショパンの言葉「最も具合の良い(手指の)位置」の一つに当たるでしょう。

*()内は田島による補足

このように、ここでご紹介した私の学習目標とその練習法は、

ショパンのこの言葉と深く関連していると言っていいのではないでしょうか。

 

 

ショパンとリストの練習時間の違い

ショパンはこの言葉に続き、

「おびただしい数の無益で退屈な訓練は、この楽器には何の役にも立たぬもの」(p45)と言って、過度な練習は無駄であると言っています。
言い換えれば練習は、「最も具合の良い(手指の)位置」でするべきだという事なのでしょう。

 

 練習は一日3時間まで(ショパンp48

これに対してリストは、「疲れ切ってもそれ以上弾けなくなるまで・・」(p49)と言っています。

 

「苦難を超えて手に入れる事」が美徳と考える多くの日本人は、リスト式の特訓で苦役を強いる方へ向かいがちですが、その原因の一つに、練習曲線というものがあるのかもしれません。

 

それは、練習が進むと(必ず)スランプに陥り停滞する状態(プラトー)になり、それでもやめずに、「さらに練習を続ける事によってそこを脱出する事ができ、それを経るからこそ、そこからさらに上達していくことができる」というド根性ものです。

 

しかし集中力が途絶えた状態で練習しても、はなはだ効率の悪い結果となるだけでなく、それにより悪い手の使い方を身につけてしまう危険性が高いのです。それが手首や肘、肩などに力が入ったままの奏法などがしみ込んだ、硬くて汚い音色の原因になるのかもしれません。

 

(私はその停滞した期間は休みました。しばらく経ってからまた練習を始めると、そこからまた「新たな練習曲線が始まる」ためなのか、その線は再び上向きに進んで行ったのです。)

 

ショパンの3時間は、20~30分で休みながら。しかもその休みは1時間も そんな手にも精神的にも実に優しい実練習時間が3時間なのです。その休憩の1時間で、手の使い方の検証や楽譜の研究をする事もできます。丸一日弾き続けるのと、どちらが効率が良いかは明らかでしょう。「楽に楽に!」(p52)とショパンはレッスンで常に言っていたそうです。

 

リスト式の過酷な練習法や、疲れ果てても無理に動かそうとして、手や腕に余計な力が入った練習では、このように楽で、しかも自身の練習を検証して研究するほど気持ちに余裕のある練習状況は、まずありえないでしょう。ショパンは「柔軟な手さえあれば」と、言っています

 

私のレッスンでも、ブログ壮年の初心者Tさんシリーズですでに何度もご紹介してきたように、

「こんなに楽に弾けるのですか!!」と、できなかった部分が急に楽々と弾けるように変わったその瞬間、Tさんは毎週のように、驚きと感動の声を出されています

 

またプロフェッショナルコースのお二人の受講生も「手が楽になりました」と、弾き易くなった手の変化を話されていました。そのように変わるためには、最適な「手の使い方」を手に入れなければなりません。

 

ショパンが「最も具合の良い(手指の)位置」、つまり「手が最も動きやすい状態を作れる練習法」になるようにと言っているのは、この事ではないでしょうか。

ショパンのように長い休憩時間の間に、いろんな事を工夫する時間が演奏者には絶対に必要だと思います。

 

さて皆さんはショパンとリストの、どちらの練習法を選ばれるでしょう?

 

全ては手が命ずるままに動く(p51)

 

このショパンの言葉はつまり、思い通りに手が反応するため、「いかに手を楽に使うか」言い換えると、 「いかに少ない練習量で弾けるようにするか」「いかに無理のない合理的な力の使い方をするか」という事を意味しているのではないか。これらを研究して来た私は、この言葉を見た瞬間そう思ったところ、それを裏付ける次の言葉も見つかったのです。

 

「タッチにふさわしい腕の位置さえ覚えてしまえば、この上なく美しい音色は自ずと得られ…思いのまま何でも弾くことができるようになる」(p25)
「手が鍵盤に対して〔もっとも具合のよい(つまり最も自然な)〕位置を保つことを学ぶだけで良いのである。」(p45)

 

やはりそうだったんだ!

ショパンはすごい!この方法が広まれば、どれだけ多くの学習者が救われることでしょうか!

 

「思いのまま何でも弾くことができるようになる」

これを実現するために、私は今に至る50年以上もの間、さらに改善できるところはないかと、様々な曲で常に研究し続けているのです

 

 

 

またこの本の著者も、

どうしてもこんな音を出したいと思えばその通り体が動いてくれて、指も自ずと訓練されていく(p24-25)と、ショパンの代弁をしています。

 

皆さんはこれを見てきっと、「そんな簡単にできっこないよ」と思われる方のほうが、圧倒的に多いのではないでしょうか。しかし、これらショパンの言葉は、間違いなく本当なのです!

 

「思いのまま何でも弾くことができるようになる」

なぜそんな事ができるのか?これはこのプロフェッショナルコースの中でも最も大切なポイントであり、また演奏表現能力にも深く関わってくる事です。

 

特に「その通り体が動いてくれ」ることと「演奏表現能力」については、じっくりと最終回(第7回または番外編)で、詳しくお伝えさせていただく予定です。

 

 

このような指導法や演奏法にご興味のあるピアノ指導者・ピアニストの方は、まずは無料体験会へ。

もし、行き詰まりを感じていたり、このままで良いのかと思っておられるようでしたら、この体験会できっとその解決の糸口を見いだせることでしょう。

 

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