歌詞をつけて、語るような生きた演奏へ <第2回> 続・「音楽とはひとつの言語なのだ」 『弟子から見たショパン』より  / どの音も聴き取りながらより音楽的に演奏表現できるよう必然的に変われる練習法 

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歌詞をつけて、語るような生きた演奏へ <第2回> 続・「音楽とはひとつの言語なのだ」 『弟子から見たショパン』より  / どの音も聴き取りながらより音楽的に演奏表現できるよう必然的に変われる練習法 

曲に歌詞をつけて歌えば、語るような生きた演奏へと即座に変身!! 

2022/09/24 歌詞をつけて、語るような生きた演奏へ <第2回> 続・「音楽とはひとつの言語なのだ」 『弟子から見たショパン』より  / どの音も聴き取りながらより音楽的に演奏表現できるよう必然的に変われる練習法 

「ロシアピアニズム」「重力奏法」を「運動力学」と「ショパンの視点」から理論的に楽に弾けるよう指導している田島孝一です。

 

 

前回は「音楽とことば」の密接な関係を、

ショパンのことば「音楽とはひとつのことばなのだ」を通じてご紹介し、

どの音も聴き取りながら、ていねいに弾くように変わる

という
 とても大きな教育効果までが、自動的・・・についてくるというお話で終わりました。
 「音符に歌詞を加えて歌う」ことにより、簡単にそれを実現できるだけでなく、その上、
 
 どの音も聴き取りながら、ていねいに弾くように変わる

という
 とても大きな教育効果までが、 自動的・必然的に付随するのです。

 

今回はそれをよりいっそう掘り下げたお話です。


 

もしかするとこの方程式のような必然性は、

(これは日常無意識でしている事ですが、)

自分が話している時、同時にその声を自分で聞き、

さまざまに声をコントロールして表情を加えながら話しているのと、

まったく同じ原理なのかもしれません。

ですからこの練習法は、生理学上からも、その合理性が証明できそうです。

 

しかしピアノ学習者の多くは、

「よく聴いていない」状態で弾いている事が非常に多いのです。

といっても、すぐにはご理解頂けないかもしれません。

これは、その曲が伝えようとする音楽の内容など分かろうともせずに、

目で音符を拾いながら、間違えずに弾いているかどうかを聞き分けながら、

ただ指を動かしているだけの状態を指しているのです。

 

この状態は、まるで話の内容を何も考えずに、

ことばにもならない支離滅裂の断片を口から出まかせ状態になってしまった、

「壊れたロボット」と同じではないでしょうか。

(ピアノの初心者によくある練習法も、これに似たことをしているのではないでしょうか。)

 

これではその曲が持っているメッセージを、人には伝えられません。しかし

それぞれの「フレーズが持つ音楽」に合った歌詞を加え

その情景など、歌詞のイメージを思い浮かべながら<朗読>し、

そしてそのイメージを、人に語るように<歌って伝えられる>ようにする。

 

そうすれば、その音楽が本来持っている意味に近い内容を、

歌詞「ことば」によって反射的に理解でき、

イメージを描きながら、語るような弾き方が必然的にできるようになります。

 

ただの音符が歌詞という意味のある「ことば」に変われば、

人に話している時と同じように、

語り手はそれを必然的に聞いてしまうのです。

 

もしそのテキストの歌詞がご自分の思い浮かべるイメージと違っていれば、

自由に変えられても全然構いません

 

「演奏する上で大事なこと」は、

「音楽にイメージを持ち、それを表現する事」なのですから。

 

(私は『トンプソン現代ピアノ教本1』の訳詞が、理由をもって非音楽的だと判断した場合、

より音楽的にリズミカルに楽しく歌えるよう、歌詞を変えて教えています。

次回にその歌詞をご紹介し、訳詞および歌詞の問題については、第6回に取り上げます。)

 

これほどまでに高い練習効率を示すこの学習法を、

ぜひ多くの方々にも使えるようにと、私は明春(’23)の出版を目指し、

ある初級者用小曲集の全曲に歌詞を加え

「歌うようにピアノを弾く」テキストとして現在制作中です。

中には一部、左手にもデュエットのように対話する形で歌詞をつけ

2声部を弾き分け(聴き分け)る練習も入れました。

 

ショパンは「指を使って歌うのですよ!」

また、「ピアノを弾きたいのなら、歌わなければなりません。」

と言って、生徒に声楽を習わせたほど。

「歌う」ということはそれほど大切な事なのです

 

(昔ある著名な日本人作曲家が、

妹に「ヴァイオリで歌わせるのだ」といってリサイタルを開催。

その新聞記事を読み、期待して聴きに行った私は、

「歌わせる」とはおよそ程遠い単調な演奏に耐えられず、途中でホールを脱出。

単に曲目がオペラ・アリアなどの「歌う曲」を並べただけだったのです。

きっと演奏者はその曲の歌詞を、実際に声に出して歌った事がなかったのでしょう。

このように練習法が間違っていれば、

楽器に歌わせるという事は、ほぼ不可能な事なのです。)

 

現在著作中のテキストは、

楽譜にただ歌詞をつけただけではなく、大事なのは、

歌詞それぞれの情景をイメージしながら、

まず①できるだけ声優のように朗読すること。

そして②「語りかけるように」歌うことです

なおその歌詞は、ことばのリズム感などの音楽的配慮だけでなく、

ドラマ性をも加えているため、

けっしてつまらない歌にはなっていないと思います。

(次回、トンプソンの訳詞の改作例を見てください。)

 

その上に、

これまでのテキストにはない、「運動力学」に裏付けられた、

「そのイメージをより美しく弾き、楽に表現するための手の使い方・・・・・

までを詳細に書き込みました。

 

またそれらを含む、私が50年以上にわたってレッスンしてきた指導法。

そのエッセンスを大量に盛り込み、

<歌詞を加えた楽譜とその練習法および手の使い方>の形で、

昨夏(’21)からずっと書きためてきました。

 

そのきっかけとなったのが、次の3つです。

①新刊の『弟子から見たショパン』の中の言葉に、私と同じ考えをいくつも見つけたこと。

②ここ数年のレッスン中にも、何度かいつも通りの「成果」が出せたこと。

③私が名付けた「指歩きピアノ奏法®」が、「重力奏法」・「ロシア奏法」と基本的に同じだ

ということを、これも新刊の『ロシアピアニズム』など、2冊の著作で裏付けできたこと。

この3つが奇跡的にも、ほぼ同時期に出揃った事でした。

 

特にショパンの言葉に出会ったことで、 「裏付けが見つかったと思いました。

なぜなら奏法や考え方などに、私の考え方との共通点が多く見つかり、

「間違っていなかった」と確信できたからです。

 

 ショパンの優れた音楽性に通じているのなら、

 この学習法の効果はとても大きいはずだと、改めて再確認しました。

 

そのため、 これはぜひ多くの方々にお伝えしなければ!との使命感を持つに至ったのです。

 

しかしこれほど大きな効果が表れる指導法であっても、

私のレッスンを受けられた、

限られたわずかな方々にしかそれをお伝えすることができません。

 

でもそれを詳細に書いた本にして世に出し、

それが人々から必要とされれば、

何年もの長期間にわたって、

もっともっと大勢の方々にお伝えできると気づいたのです。

 

 

ただの記号だったドレミから意味のある単語になり

ことばと文章によって歌に変わり

より具体的にことばのイメージを思い浮かべながら弾ける。

 

そして、それを弾くための手の使い方がわかり、

思いどおり演奏の上に表現できるようになる。

しかもそれができた時、

弾き易くなり、手がとても楽になったと感じられる。

 

私のレッスンでは、このように受講者は一変されます

 

さらに弾き続けるうちに、単調だった演奏から、

まるで「語る」かのように、

時には音楽の拍子やリズムに乗って、

表現を楽しみながら演奏できるまでに急変

そして冒頭で書いたように、

より表現力のある演奏が、必然的・・・に生まれているのです。

 

 

現在作成中の、この新しい発想によるテキストでは、教科書である楽譜を弾きこなすための「虎の巻」というサブタイトルをつけています。
さらに初級者だけでなく、演奏表現に悩まれている中・上級者の方々にもお役に立つよう、段階的にレベル設定し、各段階の学習法や「手の使い方」を示しながら作成しています。◉ Step1は、鍵盤上に手を置くポジションがわかるよう、音符を簡略化した「虎の巻楽譜」により、まずは間違えずに確実に弾ける方法。
◉ Step2は、「歌詞を歌う」ことで音楽表現法がわかり、またそれが弾ける「手の使い方」。
◉ Step3は、より上級者向けに、より速く、よりいっそう音楽的に[「歌う演奏表現」ができる方法。

 

そして巻末には付録として、

このシリーズの最後にもその「歌詞」だけを載せる、

モーツアルトソナタとショパンのノクターンなどの名曲も。

 

初級者用の「エリーゼのために」でも、名ピアニストが弾くと違いがあるように、

上級者にとって、やさしい曲で質の高い演奏をする練習は、

テクニックの困難さがない分、じっくりと演奏の質を高め、

磨き上げた演奏ができるようになる、とても大切な練習法なのです。

 

私はそれを10年間も続けた結果、

誰でも「美しい音色」が奏でられる、「指歩きピアノ奏法」を見つけられ、

想いが指先まで伝えられるようになり、

思いどおりに表現できるようになりました。

 

そのため、初級者用だと無視されそうな曲集ですが、

上級者にこそ、この曲集で学んでいただきたいところです。

 


 

前回予告しましたわが恩師の師レオ・シロタについては、

その内容だけで今回とほぼ同量の記述量になったため、

後日回を改め<番外編>としてお伝えさせていただきます。

概要は次のとおり。

 

1931年に東京芸大が客員教授として招聘。

日本へ最初に重力奏法(「ロシアピアニズム」)を伝え、

当時ヨーロッパでは巨匠と呼ばれていた、

ウクライナ生まれのロシア系ユダヤ人でした。

ヒットラーの迫害を逃れての来日で、

終戦の翌年まで、16年間滞在していました。」

 


 

次回は、「歌う直前直後の弾き方の急変」の実例を、

短いレッスン映像付きで取り上げる予定です。

 


 

このような指導法や演奏法にご興味のあるピアノ指導者・ピアニストの方は、まずは無料体験会へ。

もし、行き詰まりを感じていたり、このままで良いのかと思っておられるようでしたら、この体験会できっとその解決の糸口を見いだせることでしょう。

 

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