「卵をつかんだ形」の弊害・その1 ~手の平の感覚~

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ピアノブログ

2018/08/28 「卵をつかんだ形」の弊害・その1 ~手の平の感覚~

 

これまでピアノを習ったことがあるほとんどの日本人は、学習の最初に「卵をつかんだ手の形」で教わってきました。しかしこの形で音楽的に様々な表情や音色を出すのは、とても難しいのです。ですから、すべてのピアニストにとって、これはきわめて重大な問題のはずなのですが。今でも多くの日本のピアノレッスンでは、相変わらずこのやり方が主流であり、世の常識として居座っているようです。

 

一度次の事を試してみてください。まず肘を折って手のひらを上に向け、余分な力を抜きます(ちょうだいの形)。そうすれば自然に水が手のひらにたまる状態になります。この形のまま、上腕を中心軸にして下向けにひっくり返すと(指の付け根の第三関節が高くなった形)、手のひらで何かを感じ取れるような感覚を感じられます。その形から引き続いて、「卵つかんだ形」に変えてみてください。・・・どうでしょう?さっきの手のひらの感覚が消え失せませんでしたか?

 

はじめの手の形の方が、さまざまな音色や音楽の表情をコントロールして出しやすいことがお分かりになれたでしょう。私は学生たちに、「ピアノの音色は手のひらで出す」と言ってきました。この話をある女性ピアニストの教授に話したら、キョトンとした顔をされました。私は「アレレっ??通じない!」。別の大学の教授で友人の男性ピアニストにも話したら、「そうですね」って即座に返ってきました。そこで、「それはどこで教わったのか」ってきくと、「自分で見つけた」と。そこで「そうだよね。練習するってそういうものだよね。」って、めでたく話が合ったのです。

卵をつかんだ形で教わった多くの日本のピアノ教師の方々は、きっとこの事を知らずにピアノを教えていると思われます。なぜなら、外国人の演奏に比べれば、音楽的な表情や高揚感の乏しい、単調で何ともつまらない演奏が多くなってしまっているからです。演奏者が表現したい心の想いを、音色などへ実に反映されるためには、この手の平の感触と一体にならなければ、思い通りに表現できるはずがないのです。

(2018.8.28 ピアノレッスンクリニック芦屋 田島孝一)

 

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