「指歩きピアノ奏法®️」とは

ピアノレッスンクリニック芦屋

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〒659-0091 兵庫県芦屋市東山町28-19

レッスン時間/9時~20時ごろ 定休日/不定休

「指歩きピアノ奏法®️」とは

1.「指歩きピアノ奏法®️」奏法の誕生
この奏法は、講師田島がドイツ留学中に、手の動きと運動との関連を模索し続けた結果、帰国直後の1991年に「指で歩く」ことを発想し、まず学内で口頭と論文で発表したものです。
さらに学会でも口頭発表ののち、同学会誌にも別論文が審査を経て掲載され、

2007年「DVD『田島孝一の「指歩きピアノ奏法」のすすめ』

を制作しました。

2.指で歩くとは
手や腕などの「重み」を、まさに二足歩行する時と同じように、常に指で支えながら、
次々と音を発して指で鍵盤上を移動するピアノ奏法です。
その意味で「重力奏法」と同じものになります。

大野正嗣著『ロシアピアニズム』の中にも、「人の足の動き」や、
「片足ずつ重みを地面にかけるような感覚」との記述があり、「指歩きピアノ奏法®」は、ロシアピアニズム(ロシア奏法)とも同じものだとわかります。

しかも、それらの最も重要な「手の使い方」を常に見守る練習法で、最初歩からどの指でも「美しい音色」が弾け、それを誰でもわかるように学べるのが「指歩きピアノ奏法®」なのです。
別項の「ロシアピアニズム」には、19点にわたり同書と共通する内容を書きました

ある鍵盤上に載せられた一本の指は、手や腕の「重み」を支え、バランスを取りながら立っています。
その安定した静止状態から、次の一歩が別の指でねらった鍵盤上に運ばれます。
この時、必要な「重心移動」が的確に行われれば、確実に狙い通りの鍵盤へと(ミスなく)次の指を載せることができます。
「重さ」が関節で「支えられ」、「重心移動」が行われるという一連の動きは、多くの運動に共通した普遍的な原理ですが、「指歩きピアノ奏法®」は、その原理に則った、まったく合理的なピアノ奏法なのです。

3.安心して歩くことができる
ここで一つ確認しておきたいことは、前の指の「支え」がしっかりしているからこそ、その鍵盤を基準にして移動距離が測られ、あとの指が正確に狙い通りの鍵盤に、安定して運ばれるという結果が生まれることなのです。

なぜここまで念押しをするかと言えば、ピアノのミスタッチは、この支えの感触が失われた時に起こるからなのです。
特に重力奏法のピアニストは、指先で重みを支えているという安定した手応えを、ほとんど無意識の中で常に確認しているのです。
これは、無意識で歩行する時であっても、足裏で感じている地面の感触と同じだと言えます。

この「指歩きピアノ奏法®」は、この足裏感覚を基礎段階から、意識的に磨こうとするピアノ学習法なのです。
この感覚を身に付けることにより、常に安定した指の運びがもたらされ、常に安心感を伴いながらピアノを弾くことができるのです。

4.練習の要点は手のひらで「つかむ」自然な働き
多くの名ピアニストたちの手の動きを見ていれば、この「つかむ」手の動きを、頻繁に見て取ることができます。
練習で一番重要な点は、基本的に常に手のひらで「つかむ」働きを、意識して使うことです。

この「つかむ」動きには、常に指の付け根の第3関節(手のひらの溝)が働いています。
それは第1指を除いて、一本ずつ各指の動きにも、常に使われなければなりません。
(ただし和音奏の時は、第1指のつかむ力が必要です。)

この動きを確実に身につけるために、練習の最初期段階では、
まずはあえて指の第1・第2関節を伸ばしたまま、この第3関節だけで腕の重みを支え、その「支える」感触を感じるための練習をおすすめします。


<<参考>>

「中心から末端へ」という身体発達の原理があります。
これを3つの指関節に当てはめれば、まず脚の付け根にある腰に相当する、指の付け根の第3関節で支える力を育てることから始めるべきです。
続いて膝(第2関節)と足首(第1関節)の順に、支えの力が発達していきます。
私の恩師からも、5歳までの幼児は、指を伸ばして弾かせるよう教わりました。
指先の弱い幼児には、まさに発達の原理に則った学習法になります。
ところが多くの方々がこれまで学ばれ、今なお教え続けられている、手を丸めて「卵をつかんだ形」で学び始める「ハイフィンガー奏法」では、3つの関節が同時に働くことになり、発達の原理に反することになります。
そのため、最も重要な第3関節が陥没した手の生徒に、しばしば遭遇します。

指を伸ばして弾く手の形は、垂直方向に無理やり指先を上げ下げする訓練を重視する、
「ハイフィンガー奏法」とは、まったく違うところです。
(この垂直の動きは、ハープシコード時代の指奏法の指の動きが、
大きな音が出せる楽器として作られたピアノで、強い音を出そうと、より高い位置から指を打ち下ろす結果生まれた動きではないかと思われます。)

そもそも「つかむ」という動きは、生まれた時からの本能的なものなので、
まったく無理のない自然な動きです。だからとても楽にピアノが弾けるのです。
そのため、この手のひらで「つかむ」練習により、確実にその感覚を身につけて下さい。

*音量も表情豊かな繊細な音色・音質も、
この「手のひらの繊細な感触」で、思いのままにコントロールしながら弾ける、
ロシアピアニズムの学習でとても重要な感覚」なのですから。

5.「ツィグラー」にもある「重さ」「支え」「移動」のキーワード
20世紀初頭ドイツのベアタ・ツィグラーが、「ツィグラー~耳から学ぶピアノ教本」を著しました。
その中に、「重さ」「支え」「移動」の3つのキーワードがそれとなく書かれていたのを、私はこの「指歩きピアノ奏法®」を発表した後に再発見しました。
これは2でも書いたとおり、多くの運動に共通した、「運動の法則」と言えるほど当然な事であり、理にかなったとても重要な視点だったのです。

「重力奏法」を提唱したブライトハウプトが、このツィグラーの本を絶賛したそうです。
そのため、この教本(3巻+予備練習のために+小冊子)は、「重力奏法」やロシアピアニズムの学習に、大変重要な手がかりを与えてくれるでしょう。

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